セスナで撮った、磯の航空写真が現像できた。
             (そう、私の一眼レフはフィルムタイプなのである)
             その写真をスキャナーでパソコンに取り込む。
           
             夕食後。ほれ、きれいでしょ?と写真を見せ、自慢する。
             母が「西一周辺は?」
             「もちろん撮れてまっせ。えーと・・・・」
             どこにもない。
             あるのは西の一ノ島より西側の磯ばかり。
             しまった。西一と勘違いし、別の磯を撮っている。
             見老津のA級磯「西一」を撮り損ねるという大失態。
             「釣りのガイドブックの写真、使わせてもろうたら?」
             母は平然と言う。
             「そんなん著作権の問題があるからでけへん」
             「分からん分からん」
             分かるっちゅうねん、訴えられるわ!
             もう一度撮りに行くか、ナシで行くか。これから考えよう。
           
             さて、それぞれの磯に、ポイントと釣れる魚を書き込んでいかなければならない。
             当然、船頭に聞かなければ分からない。
           
             まずはエビスだ。
             野球を見ている船頭に恐る恐る聞く。
             「あのー、エビスやねんけど」
             「なんや」
             いかにもめんどくさそうな返事である。
             「ポイントと、釣れる魚を教えて欲しいんですけど・・・」
             「釣れる釣れる、なんでも釣れる。関本、打てえよ。男になれ」
             「あの・・・なんでもって・・・。ちゃんと教えて欲しいんですけど・・・」
             「なんでも釣れるっちゅうねん。よっしゃ、関本。男や」
             アカン。知識はあれど、教える気がない。
           
             あとは見老津の磯を知り尽くしている(と自負する)兄に聞くしかない。
             めずらしく機嫌よく聞いてくれる。
             印刷した写真に、ポイントと魚をスラスラ書いていく。
             さすが、自称「見老津の磯の主(ぬし)」。
             私は釣りガイドブックの写真も見ながらチェックしていく。
             「ここ、釣りガイドと違うけど・・・」
             「アホか、こっち(ガイド)が間違うとんねん」
             すごい自信だ。 だてに40年も見老津に住んでいない。
           
兄が書き込んだポイントをパソコンの写真の中に書き込んでいく。
そして、初めての人にも分かり易そうな「磯紹介」が完成した。(と思う)。
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